2009年12月04日
「あの時、バスは止まっていた」
テレビの報道で見知っていた高知白バイ衝突死事件の本が出版されています。
この事件は、白バイとスクールバスが衝突して白バイ隊員が死亡し、スクールバスの運転手の片岡晴彦氏が業務上過失致死罪に問われて禁固1年4月の実刑判決が確定したというものです。刑が執行されて収監中の片岡氏は、証拠の偽造等を主張して高知県らに対し国家賠償請求訴訟を提起し、再審請求の準備をしているそうです。
この本は、この事件を追っているKBS瀬戸内海放送の記者の書いたものです。
KBS瀬戸内海放送は、この事件をシリーズで報道しています。
また、片岡さんを支援する会のHPや、高知白バイ事件=冤罪事件確定中というブログもあります。
この事件は、高知県議会でも取り上げられたりしているようです。(坂本茂雄高知県議会議員のHP)
他方、高知県警察は、証拠ねつ造疑惑等について、何か釈明しているのかといえば、
その点の釈明は無いようです。(高知県警察HP「こうちのまもり」)
読後感(上記のHPなどを眺めたことを含め)としては、
白バイが公道で走行訓練していて、停車中のスクールバスに衝突して死亡
↓
違法な走行訓練の隠蔽と警察の体面保持等のために、高知県警が証拠を捏造して業務上過失致死事件をでっち上げ
↓
警察のでっち上げに気づいたかどうか不明だが、検察は、警察の主張するストーリー通りに起訴
↓
裁判所は、そのストーリー通りに、有罪判決
という事件の構造が見えてきます。
検察は、担当した当初の副検事がでっち上げを見抜けなかったとしても、どこかの段階で気づいていたんではないかという気がします。検察は、国民や職責に対し不誠実であったとしても、間抜けではないからです。
反対当事者(高知県警等)の主張等が分からないので、捏造があったと断定はできませんとお断りしておきます。
県警側の捏造の動機の一つとして考えられる白バイ隊員遺族が受け取る手当や賠償金が、白バイ側に事故の責任があるのと無いのとで、どれくらい違いがあったのか、具体的な制度に照らして解説が欲しいと思いました。
冤罪事件ということであれば、この事件を担当した裁判官や検察官が今どこに赴任しているかの情報も、今後マスコミは、国民に知らせて欲しいと思います。
証拠捏造の冤罪事件ということであれば、大変な問題です。
これからも注目していこうと思います。
なお、事件事故の処理を警察が適正にやっているとは限らないと、一般には思われていませんけれど、
実際は、杜撰な処理がなされていたりもします。
物損事故で、物理的にありえない事故状況の図面を警察官が書いていたりしてビックリすることがありました。
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弁護士 林 朋寛
(札幌弁護士会所属)
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Posted by 弁護士林朋寛 at 14:58
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